カンカンカンッ・・とアパートの外階段を上がってくる音が聞こえる。
あぁ、このあいだのあの子がやって来たんだわ。
この前来た時は「疲れている」と言って少しめまいがしているようだったわ。
車の前によろけ出た私を避けきれずに引っ掛けてしまったのもそのせいだったみたいだし。
帰っていく足音も心なしか辛そうだった。
私のことを母親のように思ってくれているなら、弱音を吐いたり愚痴ったりしてくれてもいいのにねぇ。
そうすれば少しはなぐさめることができるかもしれないし。
そう、でも今日は大丈夫ね。
何かいいことがあったのかもしれないわ。
足音でわかりますとも。
ほら、もうすぐそのドアが開いてあの子が持っている花束の香りがこの夕方の部屋いっぱいに広がるんだわ。
があわいこさんは、「夕方の部屋」で登場人物が「なぐさめる」、「足音」という単語を使ったお話を考えて下さい。 2012.07.22 18:52

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