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マルボロ

#twnovel  久しぶりに再会した元カレはタバコをやめていた。「そうか~。奥さんはたばこのにおいがするあなたを知らないのね。」そう言うとあの懐かしい顔であなたははにかむように微笑んだ。マルボロの味がしたファーストキスが昨日のことのように私の脳裏にはよみがえるのに…。




140文字で書く小説「ツイッターノベル」略してツイノベ

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悪魔のささやき

#twnovel あの人はもうここへは来ない。そうわかっていてもタオルや歯ブラシが捨てられないでいる。きっと今頃はもう私のことなんか忘れて何事もなかったように奥様と子供たちにあの優しいまなざしを向けているのだろう。ふとこの歯ブラシを送りつけてやろうかと悪魔がささやきかける。




140文字で書く小説「ツイッターノベル」略してツイノベ

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テスト投稿

#twnovel 部屋のカーテンを開けると朝日が輝いていた。「ちぇ。今年もホワイトクリスマスはお預けか…。」ジョーは小さくつぶやくともう一度暖かいベッドの中にもぐりこんだ。「…冷たいぞ。ジョー。」まだ半分眠っているケンが眉をひそめた。「へへ。ケンはあったかいぜ。」
(テスト投稿)




140文字で書く小説「ツイッターノベル」略してツイノベ

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花束の行方

花束の行方         by朝倉 淳


女性に花を贈るときは、真っ赤なバラが定番だって聞いた。

 確かに華やかだし見栄えもいい。しかしおれはこの花が苦手なので、花屋を覗いた時に見つけた別の赤い花で、大きな花束を作ってもらった。
 ヒラヒラして綺麗で、赤というよりピンク掛かっているがまあいいだろう。値段の割には豪華だ。が、これをあの店まで抱えていくかと思うと・・・。
 だが仕方がない。今日はめでたい日だ。
 おれは覚悟を決めて花屋を出た。

 あのボクネンジンにはこんなマネは出来まい。おれもガラじゃないが、今日はいいさ。
 気は強いが本当はやさしくて、時々女の子の貌を見せるおれ達の中の紅一点・・・。生意気になってきた弟分と2人で、あの店を切り盛りしてるんだもんな。大したものだぜ。
 それにあそこは、おれ達の息抜きの場所でもあるしな。

 おれは大きなガラスのドアの前に立ち、ちょっと息を吸った。そして
「一周年、おめでとう!」
 勢い良くドアを開け、出来る限りの笑みを顔面に貼り付けたが
「・・え?」
「ジョーのアニキ・・。なに言ってんの?」
 かえってきたのは、キョトンとした緑の大きな瞳と眉をひそめた弟分の顔─
「え・・?だから・・一周年記念で・・」
「やだなあ、アニキ。一周年なんてもうとうに過ぎちまったぜ」
「・・え」
「ジョーがレースでアルメニアに行っていたでしょ?あの時よ。その前にパーティの招待状を出したけど、ジョーは返事も寄越さなかったわよね」
「え・・・」
 そんなのあったか・・? 
 いやそれより今のおれの状態をどうする。両手いっぱいに花を抱えて突っ立っているなんて、どう考えてもおれのキャラじゃない。

 花より、おれの顔が赤くなってるんじゃないのか?
「あ、まあ・・その・・。とにかくこれやるよ。じゃあなっ!」
「あ、ジョー」
 ジュンに花束を押し付け、ジョーは店を出て行った。
「おかしなジョーね」ジュンはちょっと小首を傾げたが「そういえば、あなたの所も一周年だったわよね。このお花持っていく?キョーコ」
 店の奥のボックス席に向かって言った。


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無彩の季節

無彩の季節      by廖化

トレーラーハウスの隣に止められたあいつの車。・・の向こうに黄色の単車とオレンジのバギー。え?ジュンと甚平のやつ、どうしてここに来ているんだ? トレーラーの窓を見上げると、はしこいチビの顔がのぞいた。

「え、うっそぉ、兄貴なんでここにいるんだよぉ?」
 ドアを開けて甚平が飛び出してきた。
 その後ろからのっそりと大きな体が現れた。
「おい、健が来ちまったぞぃ。」
 な・・竜もいたのか?
「やだ、うちに集まったんじゃ健にバレるからと思ってわざわざ場所をかえたのに。」
 ジュンが緑の瞳を見開いている。
 なんだ?俺に内緒でみんなで何をたくらんでいるんだ?
「おい、ジョー、どーする?」
 竜が振り返って中に声をかけた。 
・・しょうがねぇなぁ・・
あいつが奥から出てくる。小首を傾げて、目を少し眇めて、口元に独特の笑いを浮かべて。
ほら、もうすぐ開いたドアへ姿を現す・・

 あいつを見ようと見開いた俺の目に映ったのは、いつもの自分の部屋だった。
 室内は既にうす明るくなっている。 
・・今のは?・・
 俺はベッドから出るとカーテンを開けた。彼方に建築中のビルの骨組みが見えた。
 
ブラックホール作戦による地震でユートランドの街も大きな被害を受けた。
 俺の飛行場の滑走路には幾筋もの亀裂が走り、スナックJは建物は無事だったものの店の中は目茶苦茶だった。竜のヨットハーバーも何艘かのヨットが流された。セントラルパークの隣のサーキット場は燃料施設に引火・炎上したそうだ。周囲もひどく焼けて、俺達はそこの駐車場にあったはずのあいつのトレーラーハウスをついに見つけ出すことができなかった。

 どこどこで花が咲いただの、渡り鳥が飛び立っただのというニュースも耳に入る。街は再生され季節も確実に移り変わっていく。それなのに、時の流れに乗り切れない自分がいる。
 ふいに滲んだ視界を両手で覆った。誰が見ているわけでもないのに、と苦笑が浮かぶ。
 そしてあいつに言ってやる。
‘夢の中でくらい顔をみせやがれ’と。

END

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