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があわいこの文字置場

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夜の坂道

「絶対に離さないでね」
中古のママチャリにまたがった淳はまっすぐ前を見据えてはいたが思いっきり肩に力が入っているのが薄暗い街灯の下でも見てとれる。
18回目の誕生日までに自転車に乗れるようになるんだと1週間前から特訓してきたのだが、もうすぐその誕生日も終わる。
一緒に誕生日を祝おうと淳の家に来たジョーだったが、一緒に映画を見に行くという約束も振られてとうとうこうして一日中自転車の後ろを持たされていた。
「わかってるって、淳。行くぜ!」
そう言うとジョーは夜の坂道の上から淳が乗っている自転車を思い切り押した。

「きゃぁあああぁぁあああ~~~~!!!」

淳の雄叫びとともにママチャリが夜の闇の中に消えて行った。
「じゅ~~~~~ん!!」
さすがのジョーも心配になったのかものすごいスピードでジュンの後を追った。
「ど、何処だ?淳?!」
坂を下りきったT字路のつきあたりでジョーはあたりを見回した。
「ここよ、ジョー」
淳は突きあたりの生け垣の中にママチャリとともに「埋まって」いた。
「やったな、淳。」
右手を差し出すジョー。
「ええ、やったわ。ジョー」
その手をとる淳。

淳はその腕の中で灰青色の瞳が自分だけを見つめているのに気づいた。
そして次の瞬間、二人の唇が重なったのだった。

「お誕生日おめでとう、淳・・」

(おわり)
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