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2009年4月30日 ILoveGeorgeAsakura(*^.^*)初掲載

【予告編】
ヘルシー人工島。ここは民間のリゾート建設会社「デゼニー」が太平洋の孤島を改造して理想の世界を作り上げたまさに別天地である。
だが中央ジャングル地帯から流れてくる雨水の中に不純物が混ざっていて、どうしてもその原因がつかめないのだ。
そこでついにその調査依頼がISOに来たのだった。

ミッドナイトブルーに包まれて【脚本風】

(プールサイドで日焼けするカップル、遊園地ではしゃぐ子供たち、ディナーを楽しむ老夫婦など、南の島のリゾート地でくつろぐ人々の静止画がスライド写真のように映し出される。)

(三日月基地内の一室。南部博士は忍者隊にヘルシー島のスライド写真を見せながら豪華な施設を説明している。)

南部博士:諸君。ここが無公害エネルギーを使用し、自然を活かして作られたヘルシー島のデゼニー・パークだ。

ジンペイ:へ~、うわさには聞いてたけどよ。すっげーなぁ・・。

リュウ:オラ、知っとるぞい。アタレヤ国の名もなき離れ小島だったヘルシー島に、いまをときめくデゼニー社が巨額の資金を投じて造った夢のリゾートアイランドで、その環境に配慮された設備の数々は国際科学技術庁も注目しちょるんじゃったかいのぅ?

南部博士:うむ。その通りだ、リュウ。

ジンペイ:へー。リュウがこんなモダンな島のことをよく知ってたモダン・・じゃない、知ってたもんだ・・。

リュウ:オラ、新婚旅行はココって決めちょる。

ジンペイ:お~お~。よく言うよ。アテはあるのかい?おヨメさんのさ。

リュウ:まだ時間があるからのぅ。よーく考えてゆっくり探すんだわ。

ジンペイ:な~んだ。そんな事だろうと思ったよ。そういうのをね、「取らぬ狸の皮算用」っていうんだぜ。

リュウ:なんだと~!オラのカミさんになる子はタヌキなんかじゃないわい!

ケン:まあまあ、ふたりともそのくらいにして博士の話の続きを聞こうじゃないか。で、博士。こんな立派な施設に何か起きたというわけですね?

南部博士:そうだ。ここの飲料水は、この島の中央に広がっているジャングル地帯に降った雨水をろ過したものが使われている・・いや、使う予定だったのだ。その画期的な技術に国際科学技術庁が注目していたのだが・・。

ジョー:毒でも入っていたんですか?

南部博士:うむ。毒とまではいかないが、不純物が混入していてどうしても取り除けないというのだ。

ジンペイ:なんだぁ。毒じゃないんだったら、ちょっとくらいどうってことないや。ねぇ、お姉ちゃん。

ジュン:あら、私はイヤだわ。直接身体に入るものに不純物が混ざっているなんて。それも毎日飲む水でしょう?

ジンペイ:へぇ~っ?!そんなもんかねぇ?

南部博士:ジュンの言うとりだ、ジンペイ。人間の体の約65%、つまり半分以上が水でできているのだ。そしてその水は主に飲料水から摂取している。
そして特にジンペイ、君のような子供は約70%、このくらいまでは水でできているのだ。

(博士、ジンペイの首のあたりに手をやる。)

ジュン:どう?ジンペイ。アンタのここまで不純物が混ざってるとしたら?

ジンペイ:(あわてて)え~っ!ヤだよ。オイラ・・・。やっぱり・・・あ~、びっくりしたなぁ、もう!

(みんなクスクス笑う)


南部博士:そこでだ、諸君。この水の汚染源をまず探ってほしいのだ。

ケン:わかりました、博士。さっそくゴッドフェニックスで向かいます。命令を出してください。

南部博士:いや、今回はゴッドフェニックスは使わずに行くのだ。

ジョー:ええっ?!

リュウ・ジンペイ:アララ。(ズッコケる)

南部博士:今回は国連軍のヘリでヘルシー島の上空まで行き、ジャングル地帯へ直接降下するのだ。
デゼニー社からの招待は2日後だ。その前に一度こっそりと下見をしておきたいだろう?

ジョー:こいつは面白くなってきた。いこーぜ!

リュウ:と、いうことはオラも・・?

南部博士:ああ。頑張ってきてくれたまえ。

リュウ:うへへへ。

ジンペイ:あ~、でも博士。帰りはどうやって??

南部博士:うむ。他の観光客に混ざって普通にフェリーに乗って帰ってくればよい。

ジンペイ:なるほど・・。

ジュン:ジンペイ、いくわよ。

ジンペイ:は、はい。はい。


(軍用ヘリの中。ヘルシー島上空。)


ケン:よし。いくぞ!科学忍法、スパイラル・シューター!!

ジョー:よっ。

ジュン:はっ。

ジンペイ:やっ。

リュウ:それ~っ!!


(5人はクルクルと輪を描きながらジャングルへと降下していった。)


(ヘルシー島に降り立つ諸君。)
(目の前には美しい湖が広がっている。)

ジュン:わぁ。きれいね~。

リュウ:これが水源地かの~?

ケン:しっ!誰か来る!

(全員それぞれ木の影にかくれる。)
(枯れ木や木の根っこを積んだ大型トラックが湖岸にやってくる。)
(トラックから降りてきたのはデゼニーの社長と部下が1人。)

ジンペイ:あれ?あれはデゼニーの社長さんだ。

ジュン:しっ!

ジョー:どうする?ケン。

ケン:しばらく様子を見よう。

社長:(あたりをうかがって)よし。さっさと片付けるんだ。

部下がスイッチを入れるとトラックの荷台が傾いて枯れ木などがすべて湖に沈んでしまう。

社長:これでよし。さ、帰ろう。

(トラックが去ってしまう。)

(顔を見合わせる諸君。)

ケン:あれだ。不純物の原因は。

ジョー:だとすると社長さんは知っていたことになるぜ。

ジンペイ:アニキ~、どうする~?

ケン:うん・・。あの社長さんから、わざわざ調査のご招待をいただいているんだ。
きっと、裏に何かある。

ジョー:へっ、ちょいとあの社長をしめあげりゃ・・。

ケン:いや、今日はここまでにしよう。もうすぐフェリーが出る時間だ。行こうぜ。


(大空を飛ぶゴッドフェニックス。)

ナレーション:改めてデゼニー株式会社からの依頼を受けた科学忍者隊はゴッドフェニックスでヘルシー島へと向かった。

(ゴッドフェニックスの中)

ケン:いいか、みんな。ジャングルの中で見たことは、しばらく黙っているんだぞ。

ジンペイ:分かってるって、アニキ。でもよー、なんで原因が分かっているのに調査を依頼してきたんだろうかねぇ?

ジョー:それを探るのも、今回のオレたちの任務って言うわけさ。

ジンペイ:ちぇ。ギャラクターが相手じゃないと、なんか、こう、力が出ないというか、いまいち燃えないというかさ・・。

(と、シャドーボクシングをする。ヘルメットがまぶかになる。)

ジョー:へへっ。ジンペイ、ギャラクターが出てきたらたのむぜ。

ジンペイ:出るかな?ジョーのアニキ。

ジョー:出るな。

ジンペイ:へー、ずいぶんと自信があるんだね。

リュウ:ケン、ヘルシー島が見えてきたぞい。

ケン:よし。管制塔の指示通りに着陸させるんだ。

リュウ:わかった。

ジョー:おい、ケン。まともに行って大丈夫か?

ケン:ああ。今回は表向きにしろ調査依頼をわざわざしてきたんだ。
来た早々いきなり爆破なんていうことはないだろうよ。

(空港に着陸するゴッドフェニックス)


(一方、総裁Xの部屋にはベルク・カッツェが控えていた)

総裁X:カッツェよ、ギャラクターの秘密を知ったデゼニーの社長をうまく始末できるのか?

カッツェ:はい。都合よく社長を恨んでいる女がおりますので、そやつを利用して暗殺させようかと・・・。

総裁X:女?女は力が弱いぞ。大丈夫なのか?

カッツェ:はい。あの社長は島民にはジャングルの木を一本たりとも切らないで遊園地を作ると約束したにもかかわらず、たくさんの木を伐採して湖に捨てておりまして・・・。

総裁X:ヘルシー島の地下に眠るウラン鉱脈を発見し、湖底から採掘を始めようとしていたギャラクターと鉢合わせになったというわけだな。

カッツェ:そこで、社長には科学忍者隊をおびき寄せれば秘密を守ってやるといってあります。
社長があのニックキ科学忍者隊を湖底基地の迷路に誘いこんだところで・・。

総裁X:もし失敗したら?

カッツェ:そのときは鉄獣ダイネッコを出動させればもう万全でございます。総裁。

総裁X:そうか。あのウラン鉱脈は地球征服にはなくてはならないものだ。
社長と科学忍者隊を抹殺してすべてを奪うのだ。よいな?

カッツェ:ははっ。


(空港のロビーでは社長が諸君を出迎えている)

社長:ようこそ来てくださいました。デゼニー株式会社の社長、デゼニーです。

ケン:今日はご招待ありがとうございます。国際科学技術庁の南部博士からもよろしくとのことです。

ジンペイ:(内緒話で)お姉ちゃん、リュウは?

ジュン:ケンに言われてゴッドフェニックスを別の場所へ移動させに行ったわ。

社長:これでみなさん、お揃いですか?

ジョー:いえ、もう一人。のろいのがいるんですよ。いや、すぐ来ますがね。はははっ。

リュウ:いや~っ。すまんすまん。待たせちまったのぅ。

ジンペイ:遅いよ、リュウ。

リュウ:思ったより道が混んでいてのぅ。はっはっ・・・ん、んっ?

デモ隊の声:デゼニーは汚いぞ~!・・・真実を公表しろ~。

リュウ:ん、んっ?何の騒ぎじゃ。一体?

(ロビーにデモ隊が押しかけている。警備員が押し戻そうとしている。)

(デモ隊の先頭に美しい女性がひとり黒いリボンがかかった写真を掲げている。その写真がクローズアップされると素顔のジョーにそっくりである。)

デモ隊の声:ジョナサンをかえせー。社長を辞めろ~。ちゃんと謝罪しろ~。

ケン:あれは何の騒ぎですか?

社長:いやいや、たいしたことではありません。ここを建設しているときに作業員が一人、事故で亡くなりましてね。その遺族がいまだに私のことを目の敵にして、ときどきああして抗議に来るんですよ。
まったく迷惑なことです。(汗を拭く)

ジョー:あの写真を持った女性は?

社長:亡くなった作業員の婚約者だった人らしいのですが、私はよく知りません。(汗を拭く)

ジンペイ:いや~、それにしてもあの写真の顔は・・・。

ジュン:ジンペイ!何を言い出すの?!

ジンペイ:いっけねぇ~。オイラもうちょっとで・・。あれっ?!ねー、おねえちゃん。ジョーのアニキは?

ジュン:今までここにいたわよ。あら、やーねぇ。どこへ行っちゃたのかしら?

(こっそりとデモ隊の後を追うジョー。)

(街はずれの広場でデモ隊は解散。「ごくろうさま。」「またがんばろう。」「ありがとう。」などと挨拶を交わす。)

(写真を持った女性はひとりで路地の奥にある小さな家へ帰っていった。)

(その様子を陰にかくれて見ていたジョー。一瞬姿を消すと素顔になって現れる。)

(女性の家のドアをノックするジョー)

(ドアを開けた女性はハッと驚くが、突然ジョーに抱きつく。)

女性:ジョナサン!帰ってきてくれたのね!やっぱり死んでなんかいなかったんだわ!

ジョー:あ。い、いや。オレは・・。

女性:えっ?(ジョーをじっと見つめる女性)
・・・違うわ・・。よく似ているけど、あなたはジョナサンではないわ。

ジョー:そんなに似ていたかい?

女性:ええ。でも、ジョナサンはここにホクロが・・。(と、ジョーの口元に手をやる。)

ジョー:(少し照れながら、その手を握リ返すと握手をする)俺はジョー。さっき空港で君たちのことを見かけてあとをつけて来たのさ。君、名前は?

女性:私、ミシェルよ。

ジョー:ところで、ミシェル。この島のジャングル地帯のことで聞きたいことがあるんだが?

ミシェル:なんですって?!

ジョー:あのデゼニーの社長さんのことで知ってることがあるだろう?!

ミシェル:あ、あなた・・・まさか・・・。

(次の瞬間、ジョーがエアガンを出すのとミシェルがナイフを出すのが同時だった。)

ミシェル:ジョー、やっぱり。ギャラクター。

ジョー:なに?!そういうおめぇこそギャラクターだろう?!

ミシェル:ギャラクターを知っているのが何よりの証拠さ。

ジョー:なら、おめぇは何で知ってるんだ?えぇ?!

ミシェル:ふ・・ん、(ナイフを下ろす)やるがいいさ、ジョー。さあ、私を撃って。ジョナサンのところへいけるから・・・。

ジョー:う・・。わかったよ、ミシェル。(エアガンをしまいながら)だが、オレはギャラクターじゃないぜ。ギャラクターに殺されたんだ。オレの両親は・・。

ミシェル:ご両親が・・殺されたの?

ジョー:ああ。だからオレはいつかヤツらに復讐してやるんだ。

ミシェル:ジョー・・・。こっちへ来て。(思いつめたような顔でジョーの手を握り部屋の奥にあるカーテンの中へとジョーを引っ張って入って行く)

ジョー:ミ、ミシェル・・?そんな・・オ、オレは・・。

(カーテンの中は小さな部屋になっていた。そこには暗青色の布がかけられた祭壇があり、中央にはジョナサンの遺影がかけられていた。)

ジョー:へぇ。こういうのには黒い布を使うものだと思っていたぜ。

ミシェル:えぇ。彼がこの色が好きだったものだから。ミッドナイトブルーっていうのよ。

ジョー:それでミッドナイトブルーに包まれてるってわけか。

ミシェル:えぇ。(祭壇の布の下からカセットテープレコーダーを取り出す。そこには、ギャラクターのマークがはっきりとついていた。)

ジョー:これは・・?(目が鋭くきらりと光る)

ミシェル:一週間ほど前に届いたの。ギャラクターから。ジョナサンの仇(かたき)をとってやるから、ギャラクターに入らないかって。

ジョー:なんだって!?

ミシェル:これから返事をしにジャングルの湖まで行くのよ。

ジョー:ミシェル、おめぇ・・まさか・・?

ミシェル:ジョー、あなたには悪いけど私、ギャラクターに入ってジョナサンの仇を討ちたいのよ。

ジョー:じゃぁ、なぜこの話をオレに?

ミシェル:さぁ・・?あなたがジョナサンに似ていたからかしら。

ジョー:わかったよ、ミシェル。邪魔したな。

ミシェル:帰るの?止めないのね。

ジョー:ああ。好きにしたらいいさ。(出ていく)

ミシェル:ジョー・・・。

(カセットを持って家を出るミシェル。こっそりとバードスタイルのジョーがあとをつける。)

(場面変わって、郊外の田舎道を進む一台のマイクロバス。派手な塗装が施されている。)

ナレーション:一方、ガッチャマンたちは社長自らが運転する観光用のマイクロバスに乗り込み、水源地へと向かっていた。

社長:この先が島の中央ジャングル地帯になっていまして、水源地の湖があります。

(前の席で眼を閉じたまま何かを考えているケン。リュウは一番後ろの席で大イビキをかいている。ジュンとジンペイは遊園地のパンフレットを見ている。)

ジュン:湖やジャングルのことはパンフレットに書いていないんですね。

社長:は、はい。遊園地とは直接関係ないものですから・・。

ジンペイ:へ~、そんなもんですかねぇ。

社長:(汗を拭く)

(社長、車を止めて外に出る。)

社長:ここが湖の入り口です。ここからは歩いていきます。

(湖畔の見張り小屋まで来ると社長は門柱のボタンを押す。ボタンが光って門が開く。___ギャラクター基地のボタンが光る。それを見たカッツェがうれしそうにモニターのスイッチを入れる。社長と忍者隊がモニターに映る。)

カッツェ:来た来た。ガッチャマンめ、何も知らずに社長のあとにくっついて来よった。ファハハハッ!今日こそ地獄へ送ってやるからな。

ギャラ兵:カッツェさま。ミシェルと名のる女がカッツェさまに会わせろと来ておりますが・・。

カッツェ:なに?ミシェル・・?おぉ~、そうかそうか。とうとうギャラクターに入る決心をしたんだな。よ~し、ここへ通せ。

ギャラ兵:はっ!

(一方、ガッチャマンたちは、見張り小屋の中へと案内されていた。)

社長:ここに問題の浄化装置があるのですが・・。
ス、スイッチを入れてみますか?

ケン:はい。お願いします。

(社長がスイッチのレバーをガタン!と下げると、床が落とし穴になって地下室へ社長もろとも落ちてしまう。)

ジンペイ・リュウ:ウワ~ッ!

ケン:社長さん、これは一体どういうことですか?

カッツェの声:ファハハハハッ!ガッチャマン、まんまとワナにかかりおったな。デゼニーの社長さん、ごくろうだったな。おかげで、ニックキ科学忍者隊をやっつけることができそうだ。

社長:カッツェさま、科学忍者隊をつれてくれば湖の底に沈めた木の根っこを片付けてくださるという約束は・・?

カッツェ:あ~あ、片付けてやるとも。おまえや忍者隊ともどもきれいさっぱりとな。

社長:だましたな!カッツェ!

カッツェ:今頃気づいても遅いわ。サラバだ、諸君。

ジンペイ:くっそ~、いつもながら汚いぞ!カッツェ!

社長:(土下座して)許してくれ、ガッチャマン。私が馬鹿だった。内緒でジャングルの木を伐採して湖の底に沈めていたのだがギャラクターのやつらに見つかってしまい、黙っていてやるから科学忍者隊をここへ連れてくるように言われたのだ。す、すまなかったー。

(土下座をしている社長をモニターで見ているカッツェ)

ギャラ兵:カッツェさま、ミシェルをつれてまいりました。

(ミシェルが入ってくる)

カッツェ:お~、ミシェル君。よく決心したな。ギャラクターに入ったお祝いにさっそく仇を討たせてやろう。モニターを見たまえ。

ミシェル:うっ、デゼニー。一緒にいるのは科学忍者隊?!

カッツェ:どうだね?ミシェルくん。このスイッチを押せば天井が落ちてきて社長はペシャンコだ。あっという間に仇がとれるぞ。ファハハハハ。

(ミシェルはボタンに手をかけるが、その手は震えていてなかなかスイッチが押せない)
(同じく肩を震わせている社長)

ケン:社長さん、よく言ってくださいました。

社長:へ?(顔を上げる)

ケン:実は、事前に湖を調査したのです。なぜ社長さんがうそをついてまでわれわれをここに呼び出すのか知りたくてワナにはまったフリをして来たのです。

社長:(涙をこぼしながら)わ、ワシは怖かったんじゃ。同じようにギャラクターの秘密を知った現場監督のジョナサンが、こっそり国際科学技術庁に連絡をしようとしてギャラクターに殺されたのを見てしまって・・!

ケン:そうだったんですか。社長さん、ギャラクターの基地の入り口をご存知ですね。

社長:み、湖の下です。地下通路でつながっています。

ケン:そうとわかれば・・ジュン、ジンペイ!あのドアを爆破するんだ。

ジュン:まかせといて。

ジンペイ:それーっ。

(ヨーヨーと爆薬を仕掛けたクラッカーを同時に投げてドアを破壊する)
(リュウがマントで社長を守る)

ケン:よし!いくぞ。

カッツェ:(モニターを見ながら)ばかもの。もたもたしているから逃げられてではないか?!
う~ん。こうなれば基地ごと爆破してやるー。
お前は私と来るんだ。

(ミシェルを引っ張って隠し扉の向こうへ消える)

(入れ替わりにガッチャマンたちが基地内にやってくる)

ケン:ここだな。

(ギャラ兵たちの一斉銃撃)

(それをかわして4人それぞれが、つぎつぎとギャラ兵をやっつける)

ケン:カッツェ、どこにいる?出て来い!
くそう、カッツェめ。逃げたな。

(ジュンが時限装置に気づく)

ジュン:ケン!たいへんよ。もうすぐこの基地は爆発するわ!

ケン:なんだって?しまった!すぐに脱出するんだ。

(社長とともに基地から脱出したガッチャマンたちだが、地下通路が入り組んでいて途中で迷ってしまう。)

ケン:く、くそう。どっちが出口なんだ?

ジンペイ:おねえちゃーん、もうだめだ~。

ジュン:ジンペイ、最後まであきらめちゃだめよ。

ジョー:おい、ケン!こっちだ。

ケン:ジョー、どうしてここに?

ジョー:そんなことはどうでもいい。早くこっから出る方が先だぜ。

(見張り小屋の出入り口にやっとたどり着き地上へ出る忍者隊。)
(その時、湖が大きく盛り上がって枯れ木を吹き飛ばしながらダイネッコが出現する。)

(あっという間に忍者隊に追いついたダイネッコが目前に迫る。)

リュウ:うわ~っ。

ジョー:こ、こいつー。

ジュン:早く逃げないと踏みつぶされてしまうわ。

ジンペイ:おねえちゃ~ん!

(ダイネッコの操縦席にはカッツェが。)

カッツェ:ミシェルくん、よく見たまえ。君の婚約者の仇きがもうすぐ討てるぞ。

(ミシェルは操縦席の後ろにしがみついて泣いている)

ミシェル:(心の中で)ジョナサンを殺したのは社長ではなくてギャラクターだったんだ。何とかしてガッチャマンたちを助けなければ・・。

ケン:リュウ!ゴッドフェニックスはどこに隠してあるんだ?!

リュウ:あの背の高いヤシの木の下だわ。

ケン:よし!オレがやつを引きつけておくからその間に乗り込むんだ。
いいな、ジュン。社長さんを頼んだぞ。

ジュン:オッケー。

ケン:バードラン!(ダイネッコにブーメランを投げるがはね返されてダイネッコが健に迫る)

(間一髪でゴッドフェニックスがダイネッコとケンの間に割って入る。)

(素早くゴッドフェニックスに乗り移るケン)

(と、同時に見張り小屋や湖が大爆発)


ケン:(ゴッドフェニックスのコックピットに戻って)よぉし、ジョー、バードミサイルだ!

ジョー:ま、待ってくれ。ケン。

ケン:なにぃ?!

ジンペイ:あれ~っ、今日はなんかいつもと逆だぞ~。

ジョー:あの中にはミシェルが・・。

ケン:誰だってぇ??

(その時大きな爆発音とともにダイネッコが自爆。カッツェは角の部分から脱出用の小型ロケットで逃げる)

ジョー:ミ、ミシェル~~~~!!!(ゴッドフェニックスから出ていく)

ケン:ジョー!どこへいくんだ?まだあぶないぞ。

ジュン:ジョー、やめて。

ジョー:ミシェル、死ぬな~!

(ダイネッコ最後の大爆発。ダイネッコから放り出されるミシェル)

ジョー:しまった

ジンペイ:ジョーのアニキ~!

(ミシェルが倒れているところに駆けつけるジョー。素顔に戻っている)

ジョー:ミシェル、ミシェル。しっかりするんだ。(ミシェルを抱き起こす。)

ミシェル:(眼をあけて)ジョー・・。私思い知ったわ。復讐がどんな結果を招くのか。・・・また誰かが死ぬだけよ。

ジョー:ミシェル、死んじゃいけない。

ミシェル:でも、ジョーの・・仇きはとっ・・たわ。鉄獣の・・自爆スイッチを押して・・やったの。カッツェは・・吹っ飛んだ・・でしょう?

ジョー:あぁ・・。

ミシェル:よかった。(うっすら笑う)これで・・復讐は・・終わったわ。ジョー・・だからあなたは・・死んではだめよ。ジョー・・。うっう・・。(首ががくりとなる)

ジョー:ミシェル・・ミシェルーーッ!!(強く抱きしめると涙する)

(夕焼け空の中ゴッドフェニックスがジョーに近づいてくる。頬と頬を合わせるようにしてミシェルを抱いたままのジョー。ゴッドフェニックスは飛び去っていく。)

(夕日とゴッドフェニックスのラストシーン)

ナレーション:ベルクカッツェもギャラクターもまだ滅びてはいない。
だがジョーはそのことをミシェルには言えなかった。
それが本当になるその日まで、がんばれコンドルのジョー。戦えガッチャマン!  

(おしまい)

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