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庭の草むら

庭の草むらからピヨピヨ鳴き声がする。
傷ついた子雀を拾ったジョージはパパに教わって一生懸命世話をした。

「早く大人に変身しないかな」
「変身じゃなくて成長でしょう」
ママはそう言って笑った。


霧の向こうにうっすら見える青い空を見つめながらジョーはあの日の子雀のように草むらに横たわっていた。




があわいこさんの今日のお題は『傷/変身/青orブルー』です。
https://shindanmaker.com/313623

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『特命』

ゴッドフェニックスで無事に別荘へと帰ってきた南部博士だったが、総裁Xの力を目の当たりにしてこれからの戦いが相当困難なものになると考えざるを得なかった。
カッツェの正体を見破ることはできたが、メガザイナーによってジョーの素顔がバレてしまった。
 誰からも連絡が来ないように引っこ抜いておいた電話線を繋げると割れてしまった窓ガラスの修理をまず頼んだ。そしてデスクの上で濡れたままになっていたカッツェの過去を記したノートを乾かしがてらまた見直してみることにした。
 カッツェの生まれ故郷の近くでは本当に核実験などはなかっただろうか?もう少し範囲を広げてもう一度検証してみよう。
総裁Xの力だけでカッツェをミュータントを作りあげることが本当にできたとしても、彼の出生地の近辺を詳しく調べる必要はまだまだありそうだ。

 デスクの中に仕込まれているボタンを押すと奥の壁がスーッとスライドして世界地図が現れた。
パチンとスイッチを入れるとこれまでに叩き潰したギャラクター基地の一つ一つがその地図の上で赤く点滅しはじめた。
博士は2~3歩下がるとその地図をじっと眺めて丹念にチェックしていった。
「ここはヒマラヤ・・。そして・・」
そしてはっと気が付いた。
「ここは・・!?」

博士は急いでもう一度受話器を取るとあのとっておきの男たちに連絡を取った。

「すまないが、二人でクロスカラコルム周辺の探索をしてくれないかね。いや、空からではなく地上からだ。あの付近はいつも霧が深く磁場が強いためにゴッドフェニックスによる上空からの哨戒ができなかったのだ。君たちが健太郎・・いや、隊長と同じように空の男であることは充分承知しているが・・」
 南部博士の遠慮がちな物言いに対して受話器の向こうから正木の力強い声が返ってきた。
「鬼石も私も博士からの指令があるのを今か今かと待っていたのですよ。鬼石はいま、スピーカーホンで博士の命令を聞いて声なき声を上げて喜んでいます。さっそく支度をして行きます。隊長の一周忌までには何かしらの成果を上げたいものです」

南部博士は健太郎が逝ってからもうそんなになるかと思いながら「頼んだぞ」と言葉を掛けて受話器を置いた。

(おわり)

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『不在』

ジョージがいなくなってから何年たっただろうか?
アランは時々こうしてジョージの墓に花を供えに来るのだが、そのたびにジョージはここにはいないんじゃないかと思っていた。
それは両親の墓と離れてこんなところにポツンと埋葬されているのが何よりも不自然だったからだ。
 通い慣れたタイル敷きの階段を上がって教会に戻るとヴィターリ神父が礼拝堂の入り口に立ってアランを迎えてくれた。
「お客さんがみえているよ。いま懺悔室にいる」
そう言うと神父はアランと入れ替わりに礼拝堂を出て行った。

「チョコレートを作ったの。食べて」
アランが懺悔室に入るや否や、ソフィアは小さな箱を差し出した。
「ギャラクターの家の子のものなんか食べないよ」
アランがそう突っぱねるとソフィアは悲しそうな顔で
「私、アランのお嫁さんになりたいのに」と小さな声でつぶやいた。

「わかったよ、ソフィア。君がギャラクターをやめるというなら考えるさ。でもそういうわけにはいかないだろう?今だってこうしてこっそりと懺悔に・・」
「できるわ!」
ソフィアは今度は大きな声でそう叫ぶとチョコレートの箱をアランに投げつけて懺悔室を飛び出して行ってしまった。

 赤いハート型の小さな箱を結んでいたピンク色のリボンがほどけてチョコレートがアランの服の上にこぼれた。
アランはそれを拾うと口に入れた。
ジャリジャリっと音がして砂糖の甘さが口いっぱいに広がった。

 ギャラクターがこの世から消えればソフィアと結婚できて、もしかしたらジョージともまた会えるかもしれない・・。
ふとそんなことを考えたアランだったが、それは不可能なことさと小さくかぶりを振った。


(おわり)

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ツリーを飾れ

スナックジュンのカウンターでジュンはため息をついた。
「あーぁ、誰かさんがツケを払ってくれないからクリスマスツリーが買えないわ」

健とジョーは顔を見合わせると箱からオーナメントを取りだしてジュンの髪にかざした。
「きれいだぜ、ジュン」
「緑の髪によく似合うぜ」

二人の腹に肘鉄がヒットした。



お題ったーではないのですが140文字制限でクリスマスフィクを書いてみました。
(ま、お題は「クリスマス」ということで^^;)

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この10年

この10年の間、いつだって墓参りに島へ帰れるはずだった。
それを思いとどまらせていたのは海岸での出来事だ。

南部博士は両親が誰に殺されたのかは教えてくれたが、どうして殺されたのかは教えてくれなかった。
知らなかったのかなぁ。

記憶の空白が埋まった今、もう一度あの海岸へ行かなければならない



があわいこさんの今日のお題は『空/墓/島』です。
https://shindanmaker.com/313623

本編では10年ぶりに海岸へ行くジョーは出てきませんでしたね。
行ったのかなぁ?
行こうと思っていたけどその前に悲劇が起きてしまったのかな

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