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ハロウィンのお菓子

「トリック、オア、トリート!!」

背丈は低いがジョーより怖い顔をした三人組がそう口々に叫びながらスナックジュンの扉を開けて入ってきた。
カウンターで水を飲んでいた健は目にもとまらぬ早業でジャンプ!天井に貼り付くと様子をうかがった。
(まさか、ギャラクターじゃないだろうな)

「あれ?誰もいないな」
フランケンシュタインが顔に似合わないかわいい声でそう言った。
「いつもきれいなお姉さんがいるんだけどな」
ドラキュラがそう答えた。

(きれいなお姉さん?誰のことだ?)
ますますわけがわからない健はズボンの隠しポケットに手をやった。いつでもブーメランを飛ばすことができる態勢だ。

「仕方ないな。もう一回りしてから来よう」
狼男がそう言うと三人組はおとなしく出ていった。

その時、キッチンの奥からジュンの声がした。
「ケーン!ハロウィンのクッキーが焼きあがるから子供たちが来たらあげてね♪」
(クッキーだって?ジュンが作ったのか。肝試しに使うのかな。まぁ、残しておいても竜が来ればあっという間に片付くだろう)

健は何事もなかったかのようにカウンターの席に戻ると水を一口飲んだ。

「ところでジュン。そのハロウィンとか言うのは何だ」
「やーねー、健ったら。去年もやったじゃない。子供がお菓子をねだりに家々を回ってくるのよ」
健の目が光った。
「そいつはいいことをきいたぞ。おい、ジュン。18歳はまだ子供だよな」
「まぁ!意地汚い」
ジュンの眉間に皺が寄った時だ。

「トリック、オア、トリート!!」
さっきとは違う三人組が入ってきた。

「なんだ。甚平はいいとして竜とジョーはどう見ても子供には見えないぞ」
ニヤリとした健はそういって甚平にジュンのクッキーを渡した。
「あー、兄貴、俺はいいからさ。」
「あら~、甚平お坊ちゃまが珍しい。オラがいただくぞい」
あっという間にクッキーは竜の口の中に消えた。
「おい、リュウ。大丈夫か?それ、ジュンの手作りだろう?」
ジョーが鋭いまなざしを残りのクッキーに向けた。
その時!
「ブッハ~~!み、水、水!」
竜は健が飲み残したコップに突進した。
「そらみろ、いわねぇこっちゃない」
ジョーがそう言って高笑いした。
「いくらハロウィンでもこれはないわー」
竜がため息をついたとき、5人のブレスレットが一斉にスクランブルをキャッチした。

「ちぇ、ハロウィンの夜に本物の悪魔がお出ましだぜ」

健を先頭に5人の若者は風のようにスナックジュンを後にした。

(おわり)

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ワイン

部屋のドアは開いていた。
だが問題はワインセラーだ。

しかし健は鍵のかかったその扉をあっという間に開けた。

「よし、次はお前の番だ」
そう促されたジョーはワインのラベルを一つ一つ確かめていく。

「これだ。BC島産のヴィンテージものだぜ」

顔を見合わせた二人は夕焼けに染まる博士の別荘を後にした




があわいこさんの本日のお題は「ラベル」、ドライな作品を創作しましょう。補助要素は「夕暮れ時」です。

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G‐2号機に

「G‐2号機に空を飛ぶための翼を付けて海上も走れるように改造する」
「えっ!博士、それはちょっとカッコ悪いですからやめて下さい」
「だがジョー、このままでは三日月基地との往復が非常に難しいぞ」
「そうか。それならみんなには内緒にしてテレビにも映らないようにして下さい」
「よし、分かった」




があわいこさんの今日のお題は『機/翼/海』です。
https://shindanmaker.com/313623


こうしてG-2号機が三日月基地と往復する様子は誰の目にも触れなくなった・・(爆)

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天国への階段(きざはし)



昇れるか?

耳元で誰かの声がした
うっすら目を開けてみると倒れている俺のすぐそばに俺が立っていた
自分の声だったのか
おい、そこにいるジョー。まだ俺から離れるんじゃねぇよ
俺にはまだやることがあるんだ

カッツェの野郎はもう俺が死んだと思っているだろう
いや、生きていたとしてももう身体を動かすことができないと思っているはずだ
だからこんなところに置きっ放しにしてどっかへ行ってしまったんだ

あそこにさっきゴッドフェニックスが映っていたモニターがあるが今は何も映っていない
いわゆる砂嵐ってやつだ
あれは幻だったのだろうか?
いや違う

ふっ、残念だったな。カッツェ
俺はこれから這いつくばってでもこの本部の入り口を健に・・いや、ガッチャマンに教えに行くぜ

どうしてここがわかったか知らねぇが流石だぜ、健
外ではここの入り口を探して暴れ回っているんだろうなぁ。今すぐ行くからな、待ってろよ

俺もこの前、暴れてやったんだぜ
もうちょっとのところでめまいに邪魔されたがな
だが、あの時分かったんだ
とことん身体を痛めつけられたときにアドレナリンがいつも以上に俺の身体を充たすってことがな

なんていったって俺はあのギャラクターの子だからな
小さいころにそういう風に育てられたのかも知れねぇ

あぁ、わかるぜ。アドレナリン・・この感じだ
手も足も動きやがる。目も見える
ざまぁみろってんだ
さっきは外したが今度は必ずカッツェの眉間に残しておいた最後の羽根手裏剣を一本ぶちこんでやる

ここだ
この階段を昇りきったところが入り口だ


昇れるか?


思いっきり手を伸ばしたつもりがぬるりと生暖かいものが手指に絡んでいて上手く階段のへりに手がかからねぇ
くそう
目が霞んできちっまってよく見えねぇが手が真っ赤に染まっている
ちぇ、もう俺の中の血は全て出つくしたと思っていたのに、まだ残っていたらしい

あっ、しまった
雑魚どもをなんとかかわせたのはよかったが、これじゃぁ振り出しに戻っちまうじゃねぇか
いつの間にか身体がずいぶんと重たくなっちまった
軽い身のこなしが信条だったコンドルのジョーさまが泣くってもんだ


あの夕日が当たるアパートの階段
覚えているぜ
あの時のめまいは普通じゃなかったからな
だがまだあの時は身体が動いたぜ
だからまだまだ大丈夫だって思えたんだ

あのおばさん、どうしているかなぁ
息子が帰って来るって言っていたっけ
どんなやつか知らねぇが、母親に心配かけるなんてとんでもねぇやつだ
一度会ってブッ飛ばしてやりたかったぜ


ん?頬に冷たい空気が当たる
外へ出られるぞ


もう少しだ

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たった一発で

「畜生、いつもながら役に立たないミサイルだ」
ジョーはコンソールパネルを思いっきり叩いて悔しがった。

「仕方ないよ、ジョーの兄貴。大体攻撃用に造られたものじゃないし」
「けっ、子どものくせに生意気な口をきくんじゃねぇよ、甚平。ま、たった一発でやっつけられるようになってもつまらねえがな」



があわいこさんの今日のお題は『撃/一発/ミサイル』です。


ジョーはギャラクターの鉄獣メカをやっつけたいのか?やっつけられなくてもいいからミサイルをたくさん撃ちたいのか?
さて、どっちでしょう?

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